2013年10月18日金曜日

怪奇俳優の演技ノートに誘われて

いつもの本屋の喫茶室に行く時気になっていた本があった。
先日ついにその本を買ってしまった。佐野四郎の「怪奇俳優の演技ノート」。唐十郎の弟子と言うだけあって、なかなか理屈っぽくて、シチ難しいことが書いてある。学生時代に演劇の経験がある小生でも良くわからないことばかりで、経験のない人にはもっと頭がいたい本だろうと思った。
その本の中に笠智衆の自伝「俳優になろうか」が何度も引用されている。およそ演技などはしていないように思える笠氏の何が佐野氏の琴線に触れているのだろうかと興味をそそる。朝日文庫と書いてあるから探すのだが見当たらない。本屋さんに注文したところ数日して「この本は絶版です」と返事があった。こうなると見つけ出さなければ落ち着かない。
図書館に行って、探すがどうしたわけか見つけられない。ついに司書さんに「この本をどうしても見つけきらん」と、たぶん泣き顔で聞いたと思う。
「はいこの本は職員が書庫からお持ちすることになっています」と笑顔。ほどなく薄い文庫本を持ってきてくれた。よほど大事な本なのだろうか、と今度はいぶかしげな顔だったと思う。
かくして、山小屋にこもって「俳優になろうか」と中島岳志の「リベラル保守宣言」を読んだ。朝夕はもうストーブをつけなければ過ごせない。
「俳優になろうか」は笠氏の経歴とエピソードが書かれているだけで、結局佐野氏の興味のありかを発見することはできなかったが、「リベラル保守宣言」はとてつもなく面白かった。

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