2011年2月26日土曜日

「酔いがさめたら、うちに帰ろう」

 この映画は実はスルーしようと思っていた。ところがNHKのつり番組で西原親子が出演する放送を見て気が変わった。
 漫画家の西原理恵子と戦場カメラマンの旦那と家族の物語。旦那は極端なアルコール依存症。入退院を繰り返し、ついには自ら決意して精神病院に入り家族に支えられて社会に復帰しようと戦う。もうすぐ退院ができるというある日癌を宣告され余命は無いと告げられる。
 この夫婦すでに離婚しているが、西原は子供たちの父親を何とか立ち直らせようと支え続けるのだ。
 この映画は旦那が書いた同名実話小説を基にしているらしい。
NHK「日本つりの旅」で沖縄の南洋チヌつりに挑戦しながら、西原は連れて行った男の子に「男はやっぱりつりでしょう」と言い聞かせる。死んだカメラマンはつりが得意だったのだろうか。まだ結婚する前、彼につれられ初めて行ったつりの記憶とそこに居るカメラマンの素敵な姿が、いつまでも彼女の脳裏に焼きついているのだろうか。
 男の子は見事にチヌを釣り上げ、「こんなにモチベーションがあがるとは思わなかった」と興奮していた。
 一ヶ月ぶりに生意気な店を訪ね「いい映画だったよ」というとコーヒーがただになった。

2011年2月23日水曜日

春よ来い、と叫んでみるか

 菅内閣もどうやら終末が近くなってきたようだ。さきの16人の会派離脱騒動に続いて、内閣政務官からも見放されるにいたった。
 幸い政治家たちがドタバタしていてもわが国はそれなりに動いていくが、実力の無い人間が指導的立場に立ってなにかの成果を出そうと背伸びすると悲惨な結果となる。身の回りにも肩書きで威張り散らしてヒンシュクを買っているひとを見ることがある。肩書きをなくしたとたんに影が薄くなって、哀れさえ誘う。
 岩波新書シリーズ日本古代史全6冊(2冊刊行)の第一分冊「農耕社会の成立」を少し読んだ。これは面白い。弥生時代になると、身分の上下ができて、指導者らしき人が出てきたようだ。このころの指導者は実力が無ければ勤まらないだろうと思うが、どうだろうか。
 3日ほどクヌギ林で過ごし、ピートモスをブルーべりーの根元に敷き詰めた。今年は少しは実をつけてくれるだろうか。

2011年2月15日火曜日

雪のクヌギ林も悪くない


 今週も山は雪マークばかり。

 今年になって初めて産山に行ったのは一月中旬。ところが国道を曲がるととたんに雪道。山小屋近くになると道が凍っている。うかつなことにチェーンを持って行ってなかったため、最後の坂道を登ることができず断念。

 翌週国道から入ったところでしっかりチェーンを装着して、何とか行き着いた。ところが水が出ない。せっかくたどり着いたのに何とも残念。あたりは一面の雪。畑も雪に覆われている。よく見るとあちこちに動物の足跡がある。隣人が「イノシシが出る」といっていて、「うちは出ないよ」と威張っていたが、これはイノシシに違いない。

 そうか、ようやく我が家にも現れたかと妙に安心する。

 夕暮れ時、とても静かな時間が流れる。寒さを忘れ、しばしクヌギ林を歩き、水の出ない山小屋をあきらめてゆっくりと帰路につく。

2011年2月11日金曜日

佐藤優の「宗教論」に異議あり?

 佐藤優の「初めての宗教論・右卷」が出たのは、随分前。昨年の早い時期ではなかったか。ところが続編の「左卷」がなかなかでない。本屋をのぞくたびに「まだか!」とイライラした。
 山の隣人にも「出ないねえ、もともとこの問題で本を出すのが早かったのかねえ。大体本を出しすぎのきらいもあるね」と不満を漏らしていた。
 その左卷がようやく出版された。
 山の隣人に「左卷が出たぞ」とメールを打つと「もう読んだ、けど解らん」と返事が来た。
 なるほどよくわからない。飛躍があるし、どうも自分に都合のいい論理を駆使していると感じる。
 郷土史のN先生にそういうと「もともと宗教論はそういうものではありませんか」とおっしゃる。まあ、そういえばそうかもしれないが、なにかしら釈然としない。
 もう一度「右卷」から読み直してみるしかないか。暇は充分あるんだから。

2011年2月7日月曜日

竹田のひな祭り


 厳しい寒さが和らいだ先週の末、久々に山小屋に出かけた。
隣人が「竹田の町のひな祭りを見に行こうか」と誘ってくれたので、一緒に出かけた。思えば竹田のまちをゆっくり散策したことが無い。
 駅前の駐車場に車を止めて、2時間ほど路地を縫うように街中を散歩。古い店はほとんどそれぞれに伝わるお雛様を飾り、あるいは新しい「新作雛」を展示していた。
 こうして歩き回ってみると、竹田の町も悪くない。城下町であったことを残す武家屋敷のあともあるし、由緒あるお寺やおみせも残っている。「いろいろ工夫してがんばっているようだがなかなか成果が出ていない」と隣人は解説してくれた。
 山小屋に帰って、いつものように隣人b氏も加わってドラム缶の焚き火を囲んでコーヒータイム。静かなおしゃべりの時間。