2010年12月26日日曜日

「ぼけ!5キロで良いか」となる

 今年は年始年末用にぶりが一本手に入りそうである。最近麻雀屋さんで知り合った青年が実は県南の水産会社の社長で、戯れに「ぶりを一本持ってこんかい!」などと挑発していたのだった。
 青年も負けずに「ぼけ!500本単位じゃねえと出せん」と言っていたが、先日「ほんとに要るんか、さばききるんか?」と変わって、「5キロくらいでいいな!」となった。
 早速女房に手伝わせて出刃を研いだ。まな板も間に合わないので、建築屋の髭社長の倉庫をあさって適当な板を調達した。
 昨日深夜に目覚めて、解体は風呂場でしたほうがいいな、と思いついた。
 ネットで検索して、ぶり料理も少し研究した。うん、何とかかななりそうである。
 何を隠そう、私は台所に立つのは苦にしない。そこそこのものは作れる。山小屋の隣人が「お前といれば飢えることはないな」と言う位だ。
 だが5キロのぶりをさばいたことは無いのでいろいろとシュミレーションをしてみる。これが大事。
 出刃も研いだ、まな板も用意、解体と料理のイメージもできた。これで、今年の締めくくりと年始のスタートはぶり尽くしである。覚悟しろよ!

2010年12月23日木曜日

映画三昧の日々

 映画三昧の日が続いている。
「ミレニアム・2」「ミレニアム・3」「ノルウエーの森」「シングルマン」と立て続けに見てしまった。
これで年間50本の目標に近づいたか。
「ミレニアム」はミステリーで、あまり可愛くも無い、むしろ薄汚い女の子が実は天才的なハッカーで、陰謀集団と戦うという少し残酷で痛快なお話。いやー面白かった。 
 何とか言う国際的な情報組織の首領がイギリスで逮捕されたが、かれももともとはオーストラリアの天才ハッカー。彼の「逮捕」は「保護」だろうと見ているがさてどうかな。
 「ノルウエーの森」は村上春樹の原作を映画化したもの。とても話題になっているので見てしまった。彼の小説はまったく読んだことが無かったがすすめられて読んでから見たのだった。
この映画もまあまあの出来といえよう。主役は適役とはいえないが、恋人になるミドリ役は存在感が有ってなかなか良かった。
「シングルマン」は良くわからない映画。だが不思議と後味は悪くない。
 というわけで、今年もよく映画を観た。DVDと合わせると200本は観たか。しかし悲しいことに、あるいはうれしいことに記憶にはほとんど残ってない。

2010年12月19日日曜日

M先生からの手紙

 高校生の時代は今から45年以上も前。特にお世話になった先生が3人居る。一人は1年生の時の主任で、もう一人は教師になりたての副主任、3人目は隣の高校の先生。
 3人とも健在で、いまだに時々交流がある。
 今は神戸に住んでるそのお一人から久しぶりに長い長い手紙が届いた。A4の用紙にワープロで12枚の大作である。それなりに病を得ながら、相変わらずボランティア活動を中心に、娘の家のお手伝い、近所の犬の散歩などをしていると書いてある。
 この先生、実は随分早く教師を辞めた。実家の家業を継ぐためにやむなく退職してふるさと鹿児島に帰ったと記憶している。だが先生を慕う教え子たちが多く、数年前当時の教え子たちが計画して母校に呼んで、懐かしい授業をしてもらったと報告があった。残念ながら私は参加できなかったが、きっと思い出の授業になったことだろうと思った。
 しばらく前まで手作りの「撫で地蔵」を作っていた。お年寄りのボケ防止のために、やや荒削りのお地蔵様を自分で彫って贈っていたのだ。
 私にも2体の「撫で地蔵」が送られてきた。「毎日しっかり撫でて、ボケないように」というわけだ。ひとつは別府の家に。ひとつは山小屋において、今のところ眺めている。
 生意気なお店で長い返事を書いていたら、小娘が「何を書いているんですか」と聞くので「当然ラブレター!」とウインクして見せた。

2010年12月12日日曜日

なんだかうれしい「ニンナナンナ」の日

 下界の事が忙しくなって2週ほど山小屋に行くことができなかったが、土日にかけて行って来た。午後3時ごろにつくと、隣人たとがドラム缶を二つに切った屋外ストーブを囲んでコーヒーを楽しんでいた。さっそく合流して最近のやまの情報を仕入れたが、イノシシや鹿が出没しているらしい。我が家のキャベツを食い荒らしているのは誰かな。
 夕食は隣人を招待して水炊き、翌朝は残りを使って雑炊を作った。
 隣人が隣町の古い神社に行ってみたいというので、同行。白水の滝や円形分水(水を村ごとに公平に分けようという昔の人の知恵のさんぶつ)を回って、昼近くになったので知る人ぞ知る山の中のレストランに行ってみることにした。
 「さてまだあるかいな」と会話を交わしつつその解りにくい場所の「ニンナナンナ」についた。どうやら続いているようだ。
 このレストラン、10年ほど前に2度ほど来た事がある。なんでもご主人が都会で体調を壊し、空気の良い大自然の中で生きようとたどり着いたのだとか、そう聞いた記憶がある。その頃ご主人はいかにも病弱そうで奥さんが健気にがんばっているように見えた。週末だけの営業というのもうなずけたものだ。
 声は優しいものの、現れたご主人の顔は精悍に成っていた。昔から食材は自分たちで作った有機野菜だけを使っていたが、農場は広がっているようだし、馬も飼っていた。新しいパンフレットがおいてあり、5人の子供が居るとか、なかなかやるもんだと改めてみなおした。
 ブルーベリーの手入れの仕方をていねいに教えてもらって、ちょっと高めの料金だったが少し得した気分で岐路に着いたものだ。なんだかうれしい一日であった。

2010年12月9日木曜日

「へヴンズ・ストーリー」

 なんとこの映画4時間38分もの長尺なのです。
 監督は大分出身の人で、大学は哲学科という変り種で、そのせいかどうかわかりませんが映画も変わっています。
 生意気なお店のボスと小娘が口をそろえて「え!まだ観てないんですか。みても良くわからないかもね」などと挑発するものですから、観てしまいました。
 まあ一言で言えば「メルヘン」ですね。人間のというより日本人の原罪のようなものを、残酷にコミカルに美しく醜く描いた童話とでも言いましょうか。
 映画を見た後、そのように生意気な連中に感想を漏らしたところ「もっと解りやすく述べよ」と又しかられました。
 「でもあんな長い映画をよく観たもんだね」というと、件のボスは「ぜんぜん平気、まったく間延びはしないし長いとは思いませんでしたよ。ちょこっとだけ寝ましたけどね」。
 寝るな!

2010年12月2日木曜日

いずれ土に帰るからね

 「死んだらいったいどうなるのだろう」「この世界は存在し続けるのに、それを目撃することもできないし自分を認識してもらうこともできない」と、とてつもない不安に襲われたのは中学2年の時。通学の途中でした。
 「死の不安から逃れることは一生できないのかな」と若い僧に聞いたのは30台だったか。私より若いその僧は、「私も良くわかりませんが、年を重ねるときちんと向かい合えるようになるのでじはないでしょうか。死に向かって生きているのですから。」と自信なさそうに答えてくれたものだ。
 ただそれだけの答えで私はとても楽になったことははっきり覚えている。
 産山村の片隅で小さな畑を作り、周囲の自然を楽しむ生活を始めた時数人の友人は「何でそんなところに、どうしていまさら百姓のまね事?」と聞いてくる。
 そんな時「いずれ土に帰るからね。そんな環境が恋しくなってきたのかな」と答えることにしている。