2012年7月29日日曜日

久住山麓を歩く

下界よりも5度くらい低いクヌギ林でも、戸外に出て仕事をすると絞るほどの汗をかく。
 午前中も10時くらいまでが限界だ。一仕事終えて一人コーヒーを楽しんでいると、隣人が顔を出し「散歩でもするか?」という。
 久住の山ろくに行くというので、ただの散歩ではないと思いトレッキングシューズをはいて出発。
隣人は毎日のように山歩きをしているので慣れているが、私はそうは行かない。登山口までは車で30分くらい。それも豪雨で通れない道があるため遠回りしていく。
 登山道は思ったほどは壊れていない。ところどころ岩が落ちてきているとか、山水があふれて歩きづらい道があるが、珍しい花やトンボを観察しながら1時間くらいで、ここから本格的な登山という分かれ道までたどり着いた。
 ここまでは反対の上り口から来たことがある。山桜の林がある開けたところ。しかしここは異様な景色をになっていた。草原だったのに、大きな岩や流木があふれ、小さな渓流はえぐられて深い谷のようになっていた。
 帰りは早い。足が少々悲鳴を上げ始めているが、30分ほどで車のとこまで帰り着いた。立ち小便をして、タバコを一服。これが至福のとき。
 隣人は「ちょうどいい散歩だったね」というが、私にしてみれば大仕事をこなした感じ。
 4日ほど山小屋で過ごし、大根とトマト、ピーマン少々を土産にして帰って来た。畑仕事を放棄した隣人は「これからはニンジンを植えると良いね」と知ったようなことを言って先に帰ったのだが、わざわざメールで作り方をあれこれ指図してきた。

2012年7月22日日曜日

あと何年暮らすかねえ

やくざの山ちゃんから「本が帰って来たで!」とメール。いつもの本屋の喫茶店で落ち合う。
かねてから、まだかまだかと催促していた葉室麟の「蜩ノ記」と、夢枕獏の「神々の山嶺」、それに刑事物の小説2冊を持ってきてくれた。
 先ず「神々の山嶺」を読んだが、夢枕といえば何とか言う呪術師のお話しか知らなかったので余り期待はしていなかったが、読み始めるとなかなか面白い。エベレストの誰も登攀していないルートをめぐるサスペンスを含むお話。
 お楽しみは最後にとっておいて、刑事物にかかる。これも始めて読む作家だったが、それなりに面白く、それなりにまあそれなりかな。
 そして、葉室麟の「蜩ノ記」にかかった。この作家は九州にかかわる歴史的な事件をモチーフにし徹底的な調査を元に物語をつむぎだしていく。長年直木賞の候補になりながら果たせず、ようやくこの作品で果たしたと聞く。
 なるほど面白い。田川あたりの小藩の藩主の正当性をめぐって、10年後の切腹を命じられた藩士とそれを監視する藩士が次第に友情を芽生えさせ、ともに真実に近づいていくというサスペンス調の時代劇。
 生きるということは、何をするということか。このところ産山の戸無しが原集会で必ず議題になっている問題でもある。死というものが現実のものとして意識せざるを得ない状況になってきた者たちとしては、笑い話でもそれなりに深めて行くことになるのである。
 ここであと何年暮らすことになるのかね?

2012年7月19日木曜日

集中豪雨の爪あとをかき分けて

とにかくすごい雨だった。
 産山の住人に連絡を取ってみると、電気も水道も止まって公民館に避難しているというではないか。
 少し落ち着いた頃、様子を見に行ってみようと国道57号線を走るが、不思議に走っている車が無い。どげんしったろかい?と思ったが、すぐに合点。阿蘇の滝室坂が崩壊して通行遮断しているので通る車が無いのだ。
 国道から産山に入る道は4本ある。第一の道はくねくねの山道なのでパス。第2の道は急なくだりを降りていかねばならないのでこれもパス。第3の道は平坦で離合もできる道なのでこれを行こうとしたが「全面通行止め」の標識。「ええーっ、ここがだめなの!」と引き返し、第4の道へ。これなら広い道だし立派な県道だから大丈夫じゃろと思ったが、なんとここも通行止め。
 がっくり来て、引き返す。
 県境の第3の道を、ここがだめならあきらめて帰ろう、と思って入ってみた。標識は無い。狭い道には岩や倒木がせり出している。水もまだ音を立てて流れている。でもぎりぎり車1台が通るだけの道は確保されている。たぶん軽トラックであろう、通ったような轍がかすかにある。谷底には小さな橋が架かっている。あちこちがえぐられて崩壊しているが、何とか通れるようにはしてある。ここを確保しなければ完全に孤立したのだろうと後で気づいた。
 何とか山小屋に到着。電気は回復していたが水が出ない。役場に連絡してみると、「まだ回復していないところもあります」とのこと、すぐに水を持ってきてくれた。
 「良く来たね」と東京からの移住者がコーヒーを淹れてくれた。「熊本からも通れる道は一本しかないそうです」と教えてくれる。
 翌日はうそのような晴天。少しだけ片付けをして、大根を5本手土産にして帰って来た。
 
「ほたるの宿」さん、ご心配ありがとうございます。

2012年7月11日水曜日

雨の日に考えること

しばらくぶりの晴れ間、ジャガイモを掘った後くらい何とかしておこうと思って山小屋へ。
すでにびっしり生えている雑草を始末して(これが意外と難事業なのです)、石灰を撒いて、ミニ耕運機でしっかり耕して、これでいつでも次の植え付けができるというものです。
さて、今度は何を作りましょう?
ところで政界はいったいどうなっているのでしょう?
小沢一郎には次なる作戦があるのでしょうか。思ったより同調者が少なかったね、とか、こんなものだろうという感想を聞きます。要するに小沢の政策は社会民主主義の政策です。「国民生活が第一」というのは、大きな政府を作って、貧富の差を少なくして、社会保障を手厚くしようという政策ですから、社民党が「話に乗る」のは良くわかります。
「でもねえ、金にまつわる話や、よくない話が一杯あるしねえ」という感想を良く聞きます。
でもねえ、いいのです。政治家は政治でしっかりした仕事をすればいいのです。女癖が悪いとか、お金に汚いとか、そんなことは仕事をきちんとしているかどうかには関係ありません。当事者で解決すればいいことです。
政治家の仕事は政策を示して、実行すること(させること)です。その意味では野田さんは消費税を提案して、無理やり通してしまいましたからそれはそれで立派な政治家ともいえるでしょう。その評価を受ければいいことです。
政局に右往左往して、わが身の置き所をひたすら追い求めることにのみ腐心しているサラリーマン政治家たちは何の役にも立ちません。税金の無駄使いでしかありません。
雨の日、読書に疲れて、そんなことを考えました。ああ、シンド!

2012年7月1日日曜日

ようやくジャガイモを収穫

よく降ります。
でもこの前行った時に茎は枯れかけていたので、いいかげん掘り起こしてやらねばなりません。
わずかな晴れ間を狙って、ジャガイモの収穫に行ってきました。
雑草に覆われている畝を手で掘り返していくのですが、なんとミミズの多いこと。ジャガイモの数よりミミズの数のほうが多いのではないかというくらいです。しかも大きくて丸々太っているのですから、こいつがジャガイモに行く栄養を吸い取っているのではないかと疑うほどです。
子供の頃なら大喜びしていたことでしょう。うなぎを獲る「ボップ」という筒にミミズを入れて夕方川に沈めて翌日早朝引き上げに行くのですが、田舎の子供の遊びでもありいいアルバイトでもありました。
ようやく一輪車一杯のジャガイモを収穫して、米袋に入れて持って帰ることができました。近所に少しずつ配って、孫に送って、しばらくは楽しむことができるでしょう。
その間、民主党は大混乱です。
どういうわけか、私は心情的に小沢びいきなのです。佐藤優や鈴木宗男の影響なのかもしれませんが、ほかに魅力的な政治家が居ないことが大きいでしょうか。
ある評論家が、暗殺されそうな政治家でなければ大政治家ではない。そういう政治家は今のところ小沢くらいしか居ないのではないか、と書いていました。まあ、自分のことしか考えられない政治家にはまともな政治はできないということでしょう。
私は常々「政治家はホラ吹きでいい。うそでも良いから夢を語れ。」といっていますが、そんな政治家がいないものでかねえ。