やくざの山ちゃんから「本が帰って来たで!」とメール。いつもの本屋の喫茶店で落ち合う。
かねてから、まだかまだかと催促していた葉室麟の「蜩ノ記」と、夢枕獏の「神々の山嶺」、それに刑事物の小説2冊を持ってきてくれた。
先ず「神々の山嶺」を読んだが、夢枕といえば何とか言う呪術師のお話しか知らなかったので余り期待はしていなかったが、読み始めるとなかなか面白い。エベレストの誰も登攀していないルートをめぐるサスペンスを含むお話。
お楽しみは最後にとっておいて、刑事物にかかる。これも始めて読む作家だったが、それなりに面白く、それなりにまあそれなりかな。
そして、葉室麟の「蜩ノ記」にかかった。この作家は九州にかかわる歴史的な事件をモチーフにし徹底的な調査を元に物語をつむぎだしていく。長年直木賞の候補になりながら果たせず、ようやくこの作品で果たしたと聞く。
なるほど面白い。田川あたりの小藩の藩主の正当性をめぐって、10年後の切腹を命じられた藩士とそれを監視する藩士が次第に友情を芽生えさせ、ともに真実に近づいていくというサスペンス調の時代劇。
生きるということは、何をするということか。このところ産山の戸無しが原集会で必ず議題になっている問題でもある。死というものが現実のものとして意識せざるを得ない状況になってきた者たちとしては、笑い話でもそれなりに深めて行くことになるのである。
ここであと何年暮らすことになるのかね?
以前、麦藁帽子さんが「今日は死ぬのにもってこいの日」のことを話しておられましたが。
返信削除同じタオスプエブロインディアンの詩から
もしもおまえが
枯れ葉って何の役にたつの?ときいたら
わたしは答えるだろう、
枯れ葉は病んだ土を肥やすんだと。
おまえはきく
冬はなぜ必要なの?
するとわたしは答えるだろう、
新しい葉を生み出すためさと。
おまえはきく、
葉っぱはなんであんなに緑なの?と
そこでわたしはこたえる、
なぜって、やつらは命の力にあふれてるからだ。
おまえがまたきく、
夏が終わらなきゃならないわけは?と
わたしは答える、
葉っぱどもがみな死んでいけるようにさ。
もうひとつ
わたしは世界の進歩よりも
一匹のアリの旅行に深い意味を見た、
世界の進歩なんてものは
今やスタートラインのはるか後方へ落伍している。
いい詩ですね。現代詩は技巧に懲りすぎていて、なんだか私には解りづらいものが多い、と思えますが、こういう詩は自然な言葉でつづられていて大好きです。
削除陰陽師が出てくるのは読んだことがありませんが、いろんなジャンルでの夢枕は面白いです。葉室なる作家は全く知りません。生きるとか人生の意味については考えるのをやめましたが、気に入っているのは「人生とは自分の居場所をさがす旅」という言葉です。
返信削除生きることについて考えることをやめるのは、とても難しいことですね。何かの折にふと考えさせられることがあります。これは避けようがありません。
削除余り深刻にならないように、余り茶化さないように、程ほどに付き合うようにしています。