2012年1月27日金曜日

狸も遊んでくれない

久しぶりに「生意気な喫茶店」に行った。昼を過ぎた時間なので割りと静か。例によって早速「生意気な女主人」が「どうしたの?誰も遊んでくれないの?」と挑発してくる。
 「そうだね、狸やウサギも遊んでくれないからね」と受け流す。
 「やっぱり昨年のキネマ旬報のランクでは「一枚のはがき」が一位でしたよ。ご祝儀もあるのかな。あなたの推す「僕のエリ」はまったくのランク外です。」と勝ち誇ったように言う。
 「ほう、あの映画の良さが解らない人がそんなに多いのかな?俺は今でもあの映画がダントツだがね」。
 実は昨年はそれほど沢山の映画を見ていない。他には「ヤコブへの手紙」や「ゴーストライター」が印象に残っているくらいだ。まあ、これでは年間ランクがどうのと論評するには無理があるということか。
 人間の悪意と善意を考える映画が多かったという気がする。「僕のエリ」はその典型といえる。
少し飛躍するかも知れないが、「拘留120日」の大坪氏にしても、もし彼がとんとん拍子に出世して最高検の検事になっていたら、そしてもし同じような事件が起きて彼が追求する立場になったとしたら、たぶん事件を作り上げて、大坪氏のような犯人を作り上げていたのではないのか。
 そうすると、人間の悪意や善意はどのようにして醸成されるのかな、ということになる。困ったことだ。
ははは・・・、やっぱり狸と遊んでいたほうが良いや。

2012年1月17日火曜日

「拘留120日」を読む

クヌギ林は一面の雪。
 静かな時間が流れる中を、少し歩いてみる。たぶんウサギだろう、足跡が向うに続いている。
 
 こうなると本を読む読むくらいしか能が無い。
 大坪前大阪特捜部長の「拘留120日」を読んだ。例の厚生省村木氏を逮捕して、部下の検事が証拠改ざんで逮捕され、犯人隠避の容疑で逮捕された御仁だ。
 当時のマスコミの報道ぶりでは、まちがいなく部下の犯罪を知りながらかばって隠していたのだろうという印象を持っていた。世間の反応もそのように流れていたと思う。
 佐藤優の本を読んだ時、拘置所に居る大坪氏に激励の手紙を送った、と書いてあったのでこれは何かありそうだと思ったのがきっかけだった。
 この手記は読み物としてもとても面白かった。
 加えて、最高検という組織が(あるいは官僚という組織が)どのように自分たちの組織を守り、その特権機構を守っていこうと働くのかが良くわかる。
 取調べの様子がとくに面白い。私自身の経験からも(?)なるほどとうなずけるところが随所にある。
 何がしかの既得権を持った組織は、保守であれ革新であれ(死語か?)その権利を守るためには何でもするのだろう。
 
 外は相変わらず、雪が降り続いている。今日は山を下りられないだろうと観念してゆっくり寝ることにした。

2012年1月8日日曜日

チェーンソウを使いこなす

チェーンソウが切れなくなった。
 昨年末、小屋にかかっているクヌギをシイタケ用に伐ってやろうと取り掛かったが、まったく切れない。正月の2日、孫に本を買ってやろうと本屋に行って何気なく月刊誌「現代農業」をめくったら「農具の研ぎ方」特集で「チェーンソウと刈り払い機の研ぎ方」が書いてある。これこれと早速買い求めお勉強。
 3日ヤスリを買い求め、山小屋へ。教科書どおりに研いで実践。
 まだ充分とはいえないが、それでも以前よりはるかに切れる。おかげで目的の木を切り倒すことができた。
 雪が降ってきたので、倒したところで撤収。翌日は午前中水道が凍って水が出なかった。小便も雪の中外で済ます。
 午後隣人を呼んでコーヒータイム。「へえー、伐ったんだ。よく一人でやれましたね。」と隣人。「現代農業」の一件を話して、少し自慢。
 俺もやればできるんだ、と認識したところ。

2012年1月1日日曜日

宮沢賢治を読もう

いよいよ新しい年ですね。
 といっても、何にも変わらない暖かいお正月です。
 でれーとして、食っちゃ寝の生活は去年の続きなのです。これからどのような人生を送るのか、などという問題は確かに目の前にあるのですが、昨年までと同じくどこかの政権に習って先送りしていけばまたそのうち新しい年がやってくるのですから、何の問題もありません。
 目がしっかり薄くなって本を読むのにも不自由してきたとしても、さほど急いで読まなければならない本が有るわけでもありませんから。
 おしっこが近くなって、しかも一回の放尿量が少なくなって回数がやたら増えたとしても、まだ介護の対象にはならないでしょうから。
 頭が薄くなって、冬の寒さがこたえるようになっても、帽子をかぶってごまかせば何とかごまかせるのですから。
 我慢ならないのは、政治家や官僚が国民の税金で生きているくせに、まるで自分のお金のように使って、さらに既得権を増やしてやろうとのみ知恵を使っていることです。 
 今年は選挙があるでしょう。自分のことは勘定に入れない人を選びたいものです。宮沢賢治も言っているではありませんか。「あらゆることに自分を勘定に入れず・・・」と。
 小学1年の孫が突然「宮沢賢治が読みたい」と叫んだそうです。この子は先が読めているのかもしれません。 
 今年もなんだかハチャメチャの出だしです。