2014年11月13日木曜日

久々に芥川仁を発見

岩波新書から芥川仁さんの「里の時間」と言う本が出版されたことを知って、いそいでいつもの本屋へ出かけ、わくわくしながら買い求めた。
芥川仁さんは写真家で、何を隠そう私の高校の後輩。ずーっと昔、友人の家で一度だけ会ったことがある。その時「写真はカメラしだいです。いい写真はカメラが良ければそこそこいい写真が撮れるものです。」と言った言葉が、彼の謙遜のように聞こえ好感を持ったのを覚えている。
彼はその頃「土呂久」に取り組んでいた頃だと思う。
記憶に間違いがなければ、大学の先輩の初任地がその近くの小学校で、一度遊びに行って授業をさせてもらったことがある。
そのあとだったろうか、新聞記者を辞めてトロクを追いかけていた人が「亜ヒ焼谷」と言う本をやはり岩波新書から出したのではなかったか。
仁さんは、水俣を取材して写真集「水俣~厳存する風景」や、大分の豆腐屋作家松下竜一の日常を撮って「世界」のグラビアを飾ったりして、そのたびに私は誇らしく思ったものだ。
さて今回の「里の時間」、なかなかの仕事。写真は少し点数が少ないし、何気ない平凡な写真なのだが、これまでの彼の仕事につながりを持ち、さらにこれからの行く道を暗示するような、人が何を価値として生きていけばいいのかを考えさせてくれるのである。
哲学者たちも、経済学者たちも、資本主義のどん詰まりに来ているように見える今日の、行くべき道を模索しているのだろうが、芥川仁もまたそのようなみちを模索しているように見える。

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