いつもの本屋で三浦しおんの「船を編む」を4回の立ち読みならぬ「座り読み」で読んでしまった。
国語辞典を編纂する変り種の若者の物語で、辞書フェチの小生のしてはなかなか興味ある本だった。
何故か新しい辞書を買うとうれしくなってつい撫で回してしまう。しごとをしていた頃は10冊以上のさまざまな辞典をおいていたが、今は中型の国語辞典、漢和辞典、電子辞書、もっとも重宝しているのは朝日新聞社刊の「用字の手引き」だ。これはちょっとした送り仮名や、表現に適した用語を調べる時にとても役立つ。言葉が日に日に貧困になっていく身としてはありがたい。
この「船を編む」が本屋大賞を受賞したらしい。また売れて行くことだろう。
そして私の大好きな作家綿矢りさが「可愛そうだね」で大江健三郎賞を取った。「可愛そうだね」が出たときも、「座り読み」で読んだのだった。大江健三郎は(私に言わせれば)最高の悪文家だが、綿矢りさはそれほどでもない。第一めちゃくちゃ可愛いのだからいい。この人には、天は二物を与えてしまったらしい。
生意気な言い方を許してもらえれば、三浦しおんの文章も一歩手前だと思う。実はそれがいいのだとも思っている。何か可能性を感じさせる余地があるということか。
こちらの新聞でも、先日綿矢りさが紹介されていて、その若さと
返信削除美貌とに改めて感じ入りました。それにしても「座り読み」で読了してしまうのがすごい。ぼくは連れて帰りたくなる。煩悩いっぱい。
彼女でも芥川賞を受賞して5年くらい何も書けなかったそうですから、やはり人間で、そこがまた何かほっとさせるところでもありますね。
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