2012年8月5日日曜日

クヌギ林でトドを思う

北海道のヒグマ氏から切羽詰ったような電話。
「実は東京のトド君がヤバイことになってね。腰が痛いというものだから、一度お医者に見てもらえば?と言っていたんだが。どうもよくない状況だね」
「深刻なの?」
「かなりね」と涙声になっている。
「しかしつい先日、ヒグマ氏とシベリアに行って鮭釣りをした。さすがにヒグマは大物をしとめた。という電話があったばかりだよ」
「そうなんだよ。だからこの状況を受け止めることがむつかしいんだ。とりあえず貴方には知らせておこうと思って。九州の友人には貴方から必要な人に知らせてくれないか?」

佐賀のお母さんに知らせた。トドが「俺が知っている女性で一番の人だ」という、とても素敵な女性だ。
「解った。私は何をすればいい?近々鹿児島のAと熊本のB大分のCさんに会う事になっているので話はしておくけど。あとは状況で指示してくれる?」

宮崎の光源氏に知らせると「会いに行きます!」と今にも飛んで行きそう。「待て待て、ヒグマ氏と連絡を取ってからにしては?」ということに。
トドはひとに好かれる人物だ。大きな身体で汗っかきで、大酒を飲み、何でも首を突っ込む。特に女性に好感を持たれる。

ヒグマ氏とトド君は3年ほど前宮崎の農園を訪問した後、我が産山の山小屋を訪ねてくれた。トド君の鍋料理で酒を飲み、雑魚寝をして久住や阿蘇を遊んだことがある。

佐賀のお母さんの助言で、宮崎の光源氏は東京に飛んで行ったようだ。「思わず涙が出ました。」と報告があったそうだ。すでに癌が広がっているらしい。
その後、誰からも何も言って来ない。
クヌギ林の中で、トド君のことを考えている。

3 件のコメント:

  1. ほたるの宿2012年8月7日 7:39

    大切な仲間のようですが、トドさんのこと、心配ですね。先日は
    大腸がんで57歳で亡くなった知人の通夜に参列。体調不良を訴えていたのに病院に行かないうちに病状が悪化していたようです。明日は年1回の精密検査。異状はないと思ってはいても、やはり怖くて憂鬱です。

    返信削除
  2. トドさんという方、まだお若いんでしょうね。
    実は、ほたるの宿さんも知っているサウンドエンジニアのNちゃん、彼も僕らより7,8歳若いのですが先月、膀胱がんの手術を受け、今月から化学治療に入りました。彼は数年前から、たばことアルコールをピタリと止め、水、食事にも気を使い健康的な生活にシフトしていたのですが。
    死というのは、生を歩いていってその向こうにあるのではなく、生の中にすでにあるのかも知れません。死の中に生があるといっていいのかも知れません。その境界のない境界を生きているような気がします。

    返信削除
  3. 30歳代の頃、死がとても怖いと思えたことがあって、友人の若いお坊さんに「どうすれば死の恐怖を克服できるのでしょう?」と聞いたことがある。
    その時その若いお坊さんは「たぶんしっかり歳をとれば、死を受け入れるようになるのではないでしょうか」と答えてくれたのでした。
    なかなかそのような境地に至りません。

    返信削除