2011年3月18日金曜日

「英国王のスピーチ」が呼び起こす大切な本

 話題になっている「英国王のスピーチ」という映画を見た。幼児の時から吃音のある王子様、幸い次男坊なので国民の前で話すような事態にはならないと思われるが、著名な医師についてなんども矯正しようとしては失敗の連続であった。
 ところが兄が王の継承権を放棄する。仕方なく英国王となった。町の吃音矯正をするおじさんについてさまざまな苦難を乗り越えて、時には離れ、怒り、不信を持ちしながら克服を目指す。
 ときあたかもナチスドイツとの戦いを前に、国民を鼓舞するスピーチをしなければならなくなった。おじさんの指導を受けながら、みごとな演説することができる、というお話。
 私が興味を持ったのは、どのように王様の心と身体を開いて吃音を矯正していくのかということであった。
 昔、竹内敏晴という演出家が居て、彼自身も子供の頃吃音で、演劇の道に入って訓練し俳優・演出家となった。この人に「言葉がひらかれるとき」という著作がある。長い間私の大切な本だった。今ちくま文庫になっているようである。「ひらく」は難しい漢字で「引き裂く」というような意味だったと記憶している。もう一度読んでみたいという気分になった。
 

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